カスパル=フォン=ベルグリーズについて語りたい

このブログはファイアーエムブレム 風花雪月というゲームに登場するカスパル=フォン=ベルグリーズというキャラクターの限界オタクである一プレイヤーが、推しであるカスパル=フォン=ベルグリーズについてただ語るという、それ以上でもそれ以下でもないブログです。次第に他のことについても語るかも。

名誉ファーガス民カスパル!カスパリスト的青獅子ルートの見どころ

 風花雪月には「スカウト」というシステムが存在する。本来別の学級に所属する生徒を自学級に引き入れ、第二部以降も自ユニットとして扱えるシステムで、級長や従者など一部のユニットを除いて全員を引き抜くことも可能。当然スカウトした生徒とは敵対することもない(最悪敵対しても助命することが可能)なのでとても優しいシステムに思えるが、一方でこのスカウト制度により母国と戦う運命を背負う者、家族や親友と刃を交わす者など残酷な展開が引き起こされたりもする罪深い一面を持つ。

 さて、風花雪月をプレイする際、「この周回では誰をスカウトしようか」と頭を悩ませる経験をした者は多いことと思われる。「可能な限り全員スカウトしたい!」というスタンスの先生方も、第一周目であればそうはいかない。スカウトには、各生徒に対応した主人公自身のある程度のステータスと技能レベルが必要とされており、全員ともなると流石に間に合わない。故にある程度の吟味が必要とされる。

 勿論自学級の弱点を補える生徒、自学級の生徒と効果的な支援が組める生徒、先生の好みなどを勘案し自由にスカウトを行えばいい。しかし青獅子ルートをプレイする際にはカスパル=フォン=ベルグリーズのスカウトは必須である。お勧めとかではない、必須なのだ。その理由は......

 

青獅子ルートでメルセデスカスパルの外伝をクリアした際のみ解放されるイベント、イラストが存在するから

 

 ね? 必須でしょう?

 カスパルメルセデスの間には支援関係もなく、この外伝を発生させるヒントなどなにもないので、初見ではカスパルをスカウトせずに青獅子二部まで進めてしまったプレイヤーも相当数いるはず。本ゲームにおいてもなかなかひどい仕様である。肝心のイベント内容はというと、死神騎士を討ち果たしたあと、死にゆく彼にメルセデスが「エミール......」と彼の名を呼び、姉弟の最期の会話を交わすというもの。カスパルは関係ないが悲劇的で感動的で中々に重要なイベントである。悲劇の姉弟にせめてもの救いを与えるべく、青獅子ルートをプレイする際は是非ともカスパルをスカウトしよう。力と格闘術を鍛えるのがスカウトの近道だぞ!

 

 

カスパリスト的に見逃せない青獅子カスパルの魅力

 

 折角青獅子にスカウトしたならカスパルの魅力を余すことなく堪能してほしい。今回は青獅子でしか味わえないカスパルの魅力と青獅子以外でも味わえるっちゃ味わえるけど青獅子で味わいたいカスパルの魅力を紹介。ここで挙げるそれらの魅力は、具体的に言うと、

・アッシュ、及びアネットとの支援会話

ディミトリを巡る二つの会話

メルセデスとの外伝

 これら三項目である。今回は太字の二項目について触れていこう。

 

 

アネットとの支援会話

 

「おう! アネットじゃねえか。何ひからびたリンゴみてえな顔してんだ?」

「もー! からかわないでよ、カスパル!」

 

 割ととんでもない暴言から始まるアネットとの支援会話だが、この支援でのカスパル冗談抜きでカッコイイ。支援C、支援Bともにアネットが失敗をしてしまい、カスパルが彼女の弱音を聞いて励まし、アドバイスをする(基本的に気にするこたねぇ! 失敗は後で取り返そうぜ! しか言わない)という展開なのだが、支援Bのシチュエーションが「部隊から逸れて怪我までし、命さえ危ういアネットを助け出し担いで帰る」というもの。上官失格だと嘆くアネットに「役立たずな上官の為に部下はああまで必死にはならない」と慰めるのといい、完璧なイケメンムーブである。

 支援Aでは数度とカスパルに励まされたアネットが「失敗しない為に気を付けていること」を問うが、カスパルは「そんなものはない!」と力強く返す。参考にならないような答えではあったが改めてカスパルの強さを知ったアネットは「カスパルは強くてかっこいいね。そういうとこ、好きだな」と告げ、カスパル「俺もお前のこと好きだぜ!」と返す。

 

エンダァァァァァアアアアアアアアイヤァァァァアアアアアアア♪

 

 まあその後二人で夕陽に向かって全力疾走しちゃうので恋愛的な告白とか、そういうんじゃないんだろうけどさ。直球の「好き」にドキドキしたカスパルスキーは多いのではないだろうか。

 この支援を通して、カスパルはアネットに対して「うじうじ悩んでいるのはアネットらしくない」と一貫して告げている。元気で明るい、優しくて努力家、カスパルとアネットはきっと根がとても似ているのだ。違う点はというとアネットの方が少々打たれ弱い事。言い換えればカスパルの方が少々無神経なのかもしれない。支援Aで「怖がっているからドジを踏む」と言うカスパルに「人の命の懸かる戦場で、失敗が怖くない訳ない」とアネットが返す辺りからもそういった心境が窺える。

 とはいえやはり二人は似た者同士。カスパルと支援のある女性陣の中で最もカスパルと同様の長所を持つのはアネットだと私は思う。夕陽に向かって全力疾走しだすカスパルに「おおー!」と元気よくついていける女子はアネットしかいない

 後日談では二人が結ばれる様が記されているが、その内容は「相変わらず失敗の多い魔導学院の教師アネットが山で生徒たちからはぐれて遭難、諸国を遍歴していたカスパルがそれを救助し、彼女を放っておけずにフェルディアに居つき、次第に二人は結ばれた」というもの。支援Bをなぞるようなイケメンムーブ。運命的な再会を果たし結ばれた二人に憧れる生徒たちも多かった、とまで書かれている。やはりアネットといる時のカスパル特別ヒロイックに描かれている気がする。黒鷲、覇道ルートだと内容が変わり、こちらではアネットがまさかの「帝国の母」と呼ばれるようになっているが、家庭では公務と反対にカスパルがアネットを支える立場だったとも記されている。

 

 

青獅子限定の散策会話

 

 対帝国のルートにおいてはカスパルの義理の叔父であるランドルフが第二部序盤の敵将として立ちはだかる。彼とカスパルには一応敵対時の専用台詞が用意されているが、カスパルは彼に特に思い入れもないので悲劇的な展開にはならない。第一部では専用会話から見るに、どうも二人ともはっきりと相手のことを覚えていない始末である。

 そんなランドルフが最も存在感を発揮するのは青獅子ルート。14章で敗退してから、ディミトリに執拗に、ねちっこく、身も心も壊されてしまう。己の信念を全て否定され、化け物だと断定した相手に「お前も同類だ」と突き付けられ......結局彼がディミトリから目を潰される前に主人公によってその命は絶たれるため肉体的にはどれだけの拷問じみた行為をされたのかは分からないが、武人としての尊厳を損なわれる最期だったことは間違いない。

 

 そんな彼の最期には、流石のカスパルも思うところがあった様子。現在の自分の大将であるディミトリのやり方を受け入れられず、同時に「帝国出の自分なんてあいつは信用していないんだろうな」と肩を落とす様はもの悲しささえ覚える。帝国出だと重要な仕事が回ってこなくていいとか言う幼馴染とは大違いである。

 ランドルフの無惨な最期にカスパルが気落ちする場面で、プレイヤーは彼にかける言葉を二つの選択肢の中から一つ選ぶことができる。「申し訳ない」を選ぶと「先生を怨んじゃない」と返してくれるが、「これが戦争だ」を選ぶと「あれは戦争じゃねえだろ。ただの私怨だ。先生はあいつの味方か?」と返す。ただ闇雲に命を奪うだとか、どんな暴力も許されるだとか、戦争とは断じてそういったものではない。カスパルの戦争観が意外な形で現れる場面だ。

 このゲームを通してカスパルには沢山の台詞があるが、私はこの台詞が一番好きなのだ。例え相手が恩師であっても、自分の考えをはっきりと言える、間違っていることは間違っていると言える、そんな彼が好きなのだ。皆さんにも一度聞いていただきたい台詞であるが実際にこちらの選択肢を取ると好感度がデューンすることだけは気を付けてもらいたい

 

「先生! ディミトリがさ、謝ってきたんだよ!」

 

 この話には続きがある。ディミトリが多大な犠牲を払いながらも遂に自分自身を取り戻した後、カスパルの口からディミトリがカスパルに謝罪をしていたことが語られる。カスパルは前述の通りランドルフに思い入れはなく、既に終わった話と考えていたカスパルは自分に謝られても仕方がないと思っていたようだが......

 

「それでも、あいつが変わったことを、喜ぶべきなのかもなぁ」

 

こ こ も す き

 

 もう大好きですね、この台詞も。なんなんだろう、こっちは具体的な理由とか思いつかないんだけど、前の台詞とセットになってるからかな、あまり関わりのなさそうなカスパル(君そんなんばっかりだな)からディミトリの成長が語られるってのもエモいし、ムービー上では青獅子では青獅子のメンバーしか出てこないけど、ちゃんと他のスカウトメンバーも仲間なんだよって示されてる感じがしてとてもいい。おんなじ理由でディミトリが「ベルナデッタじゃあるまいし引きこもったりはしない」みたいな軽口飛ばすシーンも好き。

 あとなんか、この台詞の、大人感? カスパルの大人感? 堪らんのよ! この台詞からカスパルの方の成長も感じられる気がして、ほんとすき。みんなもちゃんと外伝の為にカスパルを引き抜いたら、その後も彼に構ってあげてね、我が推しは尊いよ。

 

 

 さて、今回は青獅子のカスパルに焦点をあてて見てきたわけだが、三項目に挙げた点のうち回収していない点もある。アッシュに関しては以前それはそれは濃厚に語ったので良しとして、外伝に関しては肝心の内容の方がノータッチだ。その辺はいずれまた、別記事でしっかり触れようと思うのでお待ちいただきたい。

 もう一つ、青獅子にカスパルをスカウトするとなると、当然帝国の生徒たちとは敵対することとなる。リンハルトとの対峙、それもある意味青獅子カスパルの魅力に挙げられるのかもしれないが、幼馴染を敢えて別離されるのか、それとも二人ともスカウトしてズッ友にするのかは各先生次第である。